庭園を巡る 都立文化財9庭園①~小石川後楽園

歩き建築集

 今回、水戸黄門ゆかりの庭園、文京区にある特別史跡・特別名勝の小石川後楽園を巡りました。文京区の中心、シビックセンターに近く、東京ドームシティに隣接しています。園内からも眺めることができます。
 周辺を訪れることは多いのですが、今回、改めて「回遊式築山泉水庭園」と呼ばれる池を中心とした庭園を巡りたいと思います。

【文化財庭園 都立9庭園について】
 都立庭園は、江戸、明治、大正時代から続く歴史・文化・自然を兼ね備えており、いずれも国や都のの文化財に指定されています。
 震災や戦災、進む都市化の中で残された貴重な存在です。
(小石川後楽園リーフレットより)

東京都公園協会 小石川後楽園HP:https://www.tokyo-park.or.jp/park/koishikawakorakuen/index.html

 小石川後楽園は、地下鉄丸ノ内線「後楽園」駅、もしくは都営三田線・大江戸線「春日」駅より徒歩で南へすぐの場所にあります。文京区の中心にありながらも、閑静な場所です。
「後楽園」の名称は、光圀が隣国明の儒学者で日本に亡命していた朱舜水(しゅしゅんすい)の意見を取り入れ、宋の笵仲淹(はんちゅうえん)の『岳陽楼記(がくようろうき)』中の「先天下之憂而憂 後天下之楽而楽」「(士はまさに)天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から名づけられました。これは為政者の心得を説くもので、光圀も自らの政治的信条としました。(後楽園HPより)

【江戸城外堀石垣】
 後楽園の外壁を形作る石垣から撮影しました。江戸城外堀の石垣材を再利用したものです。

【西門からの出入口】

【小石川後楽園 園内map】

 今回、map下側の西門出入口より入り、園内を大泉水(池)に沿って反時計回りに歩いてみました。
回遊式庭園の特徴として、池を軸とした自然と建物を楽しむことができます。

【大泉水を西側より臨む】
 入口サービスセンターを抜けてすぐ、大泉水が目前に広がります。ここから西側を臨みます。
中央付近に蓬莱島(人工島)が見え、遠方左にはシビックセンター(文京区役所)、右側には東京ドームが見えます。

【大泉水を南側より臨む】
 小石川後楽園には、紅葉をはじめ、四季折々の植栽が見られます。秋(10月~11月頃)には紅葉が見られるので、そのころに、また訪れたいと思います。

【竜田川】
 紅葉の名所である、奈良の竜田川にちなんでつくられています。

【唐門】
 かつての「後楽園」への正式な入口でした。
戦災で焼失しましたが、令和2年(2020年)に復元されました。

【内庭】
 水戸藩書院のあったところです。唐門によって仕切られ、大泉水側の「後楽園」と分かれていました。

【大泉水を東側より臨む】
 大泉水を半分巡りました。東側より臨んだ景観です。
大泉水はこの庭園の中心となる景観。蓬莱島と竹生島を配し、琵琶湖に見立ててつくられています。昔はこの池で舟遊びをしたといわれています。

【九八屋(くはちや)】
 江戸時代の風流な酒亭の様子を表しています。
命名は、「酒を飲むに昼は九分、夜は八分にすべし」と、酒のみならず万事控えるを良しとする、との教訓によります。

【松原】
 大泉水東側、舟着近くの風景です。

【稲田】
 光圀が、農民の苦労を彼の嗣子(しし)・綱篠(つなえだ)の夫人に教えようと造った田圃。
現在は地元文京区内の小学生が、5月に田植え、秋に稲刈りを行い、伝統行事を守り継いでいます。

【円月橋】
 水面に映る形が満月のように見えることからつけられた名称。明の儒学者、朱舜水による設計といわれており、当時の姿を留める貴重な建造物です。

【涵徳亭】
 園内からの外観です。サービスセンターから出入りでき、お食事処も兼ねています。

 文京区の中心にあって、これだけ広い庭園と大泉水(池)を配した庭園、四季を通じてさまざまな景観を楽しめる場所です。これからの秋の季節にはさらに紅葉などみどころも多くなり、また訪れたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました