ルイス・カーン―近代を超える動き

雑記・建築旅

【背景】
 アメリカを中心とした資本主義の発展は、ヨーロッパ各国のみならず、アジア・アフリカ・中南米諸国の独立と近代化に大きく貢献しました。各国、各地域に固有な伝統が再発見されはじめます。
この動きに連動しながら、近代を超えるためのさまざまな試みがおこなわれました。
 近代建築が否定した伝統的な象徴性を復活させ、古典的な衣装や装飾纏った建築を生み出す動き、近代建築の後に来るものとして、「ポストモダン」と呼ばれました。(1960年代ごろ~)
(学芸出版社『図説 建築の歴史』/美術出版社『カラー版 西洋建築様式史』より)

【ポストモダンの先駆けを担った建築家 ルイス・カーン(1901-1974年)】
 近代建築を超える動きのなかで、もっとも印象的な作品を残したのがルイス・カーンでした。
資本主義経済の中心地であったアメリカにおいて、彼はかなり異質な存在と言えます。

【ルイス・カーン設計の代表的建築 例】

〇キンベル美術館(フォートワース、アメリカ 1972年)

基壇の上に、30m×6.5mのヴォールトが長手方向に三つ連結され、妻側には六個のサイクロイド曲線が連なります。天井面に光を反射させ、間接的に光を取り込む方法が採用されました。
光の反射を均一にするために、サイクロイド曲線が用いられました。反射板にはパンチングメタルが使用されており、細かい穴を通り抜けた光が若干館内に入り込みます。

〇フィリップス・エクセター・アカデミー 図書館
(ニューハンプシャー州エクセター、アメリカ 1971年)

フィリップス・エクセター・アカデミーは、1781年に創設されたボーディングスクール(寄宿制の高校)。マーク・ザッカーバーグなどを輩出してきた、世界的な名門校です。その校内の図書館をルイス・カーンが設計しました。1971年開館。高校の図書館としては、蔵書数と共に世界最大規模です。(MODERNLIVING HPより)

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